小学生のころ、私はよく本を読んでいる少年でした。
中学生になると小説からマンガが中心になり、活字からはどんどん離れていきました。最近では雑誌すら手に取る機会がほとんどありませんでした。
先日、子どもが生まれたことをこのブログで報告したときにAmazonのほしいものリストを公開しました。ありがたいことに、何人かの方からその中に並べていた本を贈っていただき、久しぶりに活字に触れたことをきっかけに読書欲が再燃しました。
今回はこの2ヶ月で読んだ本の中から、私が特に面白いと感じた小説3作品を紹介します。
できる限りネタバレのないよう書いたつもりですが、まったくの予備知識0で読みたい方はこの先を読み進めないでください。
目次にて本記事で紹介している作品名が確認できます。
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あめたまの嗜好
私が面白いと感じる本はどんなものなのか。
小学生のころ、よく読んでいたのは推理小説です。コナンドイルの「シャーロックホームズ」や赤川次郎の「三毛猫ホームズ」が大好きでした。謎を推理しながら読み進め、予想もしなかった結末に驚いたものです。
私は 終盤にどんでん返しのある作品 が好きなんだろうと思います。
他にも星新一のショートショートが好きでしたね。数ページという短いお話の中に盛り込まれた数々の皮肉やジョーク。そして予想外のオチ。読みながらニヤニヤしている自分が安易に想像できます。
今回紹介する本がすべてそういった作品というわけではありませんが、同じような嗜好のものが多いかもしれません。
最近読んだおすすめ小説3選
川村元気『億男』
この本は以前「未読書評」という形で紹介したことがあります。
記事を書いた時点では読んでなかったんですが、読んでみて驚いたのは近からず遠からずといった内容だったこと。「いや、ぜんぜん近くねーよ!」という声もあると思うんですが、私の中で想像していた根本は同じだったという感じです。
この小説のテーマはずばり「お金と幸せ」です。
お金を持つことが幸せなのか、お金を持つことで不幸になることはないのか、そもそも幸せとは何なのか。
この本を書くにあたり、作者の川村氏は億万長者といわれる方に取材をし、その答えを探したそうです。誰しもにとっての正解が書かれているかどうかはわかりません。しかし、リアルに書き上げたられたお金の話は読者をひきつけ離しません。
作品の内容とは少し離れますが、一点だけ、私個人の感情を書きます。
お金で幸せが買えるとは限らないが、貧困は思考を停止させる。
ガスも電気も止められ、家賃も払えない。その日をどうやって生きるかも考えられない人間には思考する余裕なんてありません。考えるのはいつもお金のこと。そこに幸せがあるとは私にはどうにも思えません。
これは私が35年間で得たひとつの答えです。「お金があることが幸せとは限らないよ」と語る人間はいつもお金を持った人間なんです。
又吉直樹『火花』
作者はお笑いコンビ「ピース」の綾部じゃない方と呼ばれていた又吉直樹氏。芥川賞の受賞で完全に立場が逆転してしまったように感じます。
発行部数は200万部を超え、過去の芥川賞受賞小説単行本の中でも最大発行部数となったことも話題を呼びました。
「芸人さんが書いた文章だから売れたんでしょ?」という思いがあり、躊躇していた一冊だったんですが、まとめサイトか何かで読んだ冒頭の文章の美しさに惹きこまれました。
大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。熱海湾に面した沿道は白昼の激しい陽射しの名残を夜気で溶かし、浴衣姿の男女や家族連れの草履に踏ませながら賑わっている。
火花 冒頭より引用
純文学というジャンルは元々苦手でした。まわりくどい表現、やたらと気取った文章、難しい漢字。ですが、文章で情景を表現することの難しさを知った今だからこそ、惹きこまれたのかもしれません。
とはいえ、活字離れしていた私にはかなりハードルの高い一冊で、読み進めるにも時間がかかりました。
内容は2人のお笑い芸人の人生譚。それぞれの生き方や考え方、成功や没落を含め、芸人だからこそ描けた世界だと思います。
感想は純粋に面白かったです。中でも126ページでの伏線回収は鳥肌でした。
住野よる『君の膵臓をたべたい』
このタイトル。このタイトルの響きがあまりにもセンセーショナルで思わず書店で立ち止まってしまいました。
一見するとカニバリズムを思わせるタイトルですが、内容は青春物です。
読後、きっとこのタイトルに 涙する
君の膵臓をたべたい 帯より引用
そんなわけあるかーーい!そう思って読み進めたんですが…。
やばい。電車の中なのに涙腺が崩壊した。鼻水流しながら本読んでるのが私です。
— あめたま (@ametama_l2l) 2015, 11月 7
まさかの涙腺崩壊来ました。めっちゃ泣けます。
本当にこのタイトルに涙します。
書きたいことは山ほどあるんですが、ほぼネタバレになるので書けません。というか書きません。(いつか個別にこの本の感想としてではなく、記事にするかもしれません)
読むときはハンカチ、ティッシュを用意して読んでください。
まとめ
今回は3作品をご紹介しました。今後も読書感想文として、おすすめの本を紹介できればなぁって思います。
末筆になりましたが、ほしいものリストから本を贈っていただいた皆様、本当にありがとうございます。(本以外を贈ってくださった方にももちろん感謝しています!)
以上、あめたま(@ametama_l2l)でした。
明日の七ブ侍は?
明日は「文具・手帳マイスター」の月曜担当こっこさん(@cocco00)です。
お楽しみに!!